父娘ふたり旅ー5月のフランス・ロワール地方

2004年5月連休に娘と二人で海外旅行する機会があり、夫婦ふたり旅ではない親娘ふたり旅の感想をまとめてみました。

ニュージーランド一人旅(過去3回)の発端は「遠すぎる」と妻に断られたことだったが、今回は新年に新しくなったカレンダーを見て瞬時に決まった。

5月連休が、なんと2日(日)から5日(水)まで完全な連休なので、これを逃したらまたいつ海外旅行できるか分からない、よし何がなんでも行くぞー、と決めた。

行き先はヨーロッパ、ヨーロッパならフランス(実はまだまだ行きたいが行っていない国はたくさんあるのだが)フランスなら古城巡りと、自分の中では 決まっていた。

同行者もフランス留学の経験があり、今でもフランス語会話のレッスンを続けている次女の恵子に声をかけようと、考える余地はなかった。

もちろん恵子は二つ返事。ガイド契約成立だ。

個人旅行でできるだけ経費節約を心掛け、HISに先ず電話をしてみた。29日(祝日)出発はすでになく、30日(金)出発、6日(木)帰国ならと、

電話 の向こうでコンピューターを叩き、その場で取れた。

1日遅い出発という理由で5000円引きの18万円丁度でゴールデンウイークにしては割安感がある。

私の仕事はここまで、後は訪れてみたいフランス北部のロワール地方の古城の名前をリストアップ、恵子にメールをするだけ。

ここからツアーガイドの恵子が仕 事を始める。

3泊予定のパリのホテル、1泊づつの地方のホテル3ヶ所の予約はガイドブックやインターネットで調べてメールまたはFAXで発注する。

それぞ れメールまたはFAXで返事が来る。筆記体で書かれたFAXは読みにくいが、予約番号があるから間違いないよ、と恵子の言葉をこちらは信じるしかない。

 いざ、出発。娘たちが住んでいるあざみ野へ前泊し、成田空港のフライトは午前11時10分なのだが、30日朝あざみ野のマンションを6時30分に出て、

ひとつ隣り駅のたまぷらーざ駅を6時50分のシャトルバスに乗り込む。

バスの中でコンビニで買い込んだ特製おむすびをほおばる。(所要時間1時間40分、 バス代2800円)


パリ到着

パリ・シャルル・ド・ゴール空港到着が同じ日の午後4時35分(所用時間は時差をを加えて12時間30分)、ヨーロッパではまだ昼下がりの時間帯。

空港からシャトルバスで市内へ。

パリのホテルはモンマルトル駅から徒歩5分のプチホテル(Edouard-IV)で、いつもカウンターに座っている大柄なフランス 女性から部屋のキイを受け取り、

荷物を下ろす。

軽装になって二人で地下鉄に乗り今夜の夕食をスーパーへ買い出しに行く。ここからすでにツアー旅行とは違っ ていて面白い。

恵子は函南のあおきかキミサワで買い物をしているかのように、商品が売り場のどこら辺に陳列されているかを知っている。

何度もここで食料品 の買い物をしているのだという。

ノンガスの水、割安の赤ワイン、美味しい牛乳、常に美味しいバケットとサイズの大きいクロワッサン、テリーヌ、野菜サラダ、

器量の悪いりんご、を仕込んでホテルへ戻る。

明日の計画を話し合いながら、「みんな美味しいね」と言いつつフランス第1夜の夕食はけっこう豪華だっ た。

 朝は大抵7時頃に起きて、ホテルを8時半から9時の間に出発する、夜は10時から11時の間に明かりを消して寝る、

という普段とほとんど同じリズムが守れるのも個人旅行の良さであるといつも思う。


ロアール・古城巡りへ

最初の観光は、パリ・オーステリッツ駅から9:21発の急行でオルレアンに向かう。

トーマス・クック社からヨーロッパの鉄道時刻表の最新版が日 本語で出版されているので、

あらかじめ予定を立てる事ができる。

 

 

オルレアンには1回乗り換えが必要だが、同じホームなので簡単。 

オルレアンはロワール地方屈指の商業都市であり、ジャンヌ・ダルクゆかりの地なので、是非訪れてみたいと思っていた。1429年、100年戦争でイギリス 軍に200日に渡って包囲されたオルレアンの街をジャンヌ・ダルクが、わずか10日間の働きでイギリス軍から解放した、とされている。街の中心に馬上の ジャンヌのブロンズ像を囲むように広場がある。

私たちはその広場の1角でランチにした。

昨日の夕食の残り物をサンドイッチに作り直したワイン付きランチは青空の下なので、格別 美味しかった。

目の前のカフェでトイレを借りるためコーヒーだけ頼んでここでも倹約、倹約。

ひとつ残念だったことは、「ジャンヌ・ダルクの家」が地図を見ながら歩いたのになかなか 見つからなかったことだ。

普通の民家で、看板も小さい上に、その日は休館日だった。

理由は5月1日でメーデーのため休みなのだ、多分同じ想いの観光客とおぼしき4、5人が家の前に佇んでいた。 

市内を歩くとヨーロッパではおなじみの蚤の市に出会う。

びっくりするものを見つけた。

日本で普通 に見るガラス製の溲瓶が年代物の皿小鉢の横に何食わぬ顔をして鎮座していた。

花入れとして求めるフランス人を想像して笑った。 

45分ほど列車に乗り、ブロワ駅で下車しブロワ城まで徒歩で25分軽装とはいえうっすら汗をかく。

駅前にはタクシイが無い。

ゴシック、ルネッサンス、古典様式と3つの建築様式を持ち「建築様式博物館」の異名があるという

ブロワ城だが、私にその違いはよく分からなかった。